ロランド・エンシーナス 2019
©Jun Ishibashi
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ロランドの演奏するケーナは、切り欠きによる歌口と管体に直接開けた指穴という、尺八に似た構造の竹笛だ。南米アンデス地域広範に広がる土着の笛を祖に持ち、20世紀前半には民族要素を強調するためにギターやマンドリンなどと一緒にアンデスの都市音楽フォルクローレに使われ始めたが、その土着性は、当時の西洋系住民から忌避されていた。しかし、ケーナは1960年代に欧州のラテン音楽ブームで取り上げられ、1970年にサイモン&ガーファンクルの〈コンドルは飛んでいく/ If I Could〉により…
世界最高峰のケーナ ロランド・エンシーナス
Quena of Rolando Encinas
多様性に富む内陸国ボリビア
Bolivia te espera
北米で2箇所乗り継ぎ、日本から26時間のフライト。朝5時にたどり着いたボリビアの玄関口は、富士山より高い海抜4150mのダウンタウンだ。酸素の薄い空気による頭痛に耐えながらタクシーに乗ると、眼下の盆地に、古びた電灯色の暖かい光の川が見えてくる。首都ラパスだ。街なかでは、重ね着で着膨れ気味の極彩色スカートを履いた、先住民族女性チョリータたちが朝市を開きはじめた…